§  Raspberry Piによるデータベース構築とWebアプリケーションの開発

 当初はインストール関連情報の公開を目的にスタートしたのですが、少し欲張って、データベースやWebアプリケーションの開発まで範囲を広げてみましょう。Raspberry Piという小さなコンピュータ上でもLinuxが十分に動作し、それを利用することで本格的なサーバーに迫る開発シーンを体験することができます。
 まずは、Webサーバーに必要ないくつかの機能を追加して、サーバー機能を強化します。その上にMySQLでデータベースを構築し、データベースの運用・保守環境を整備して、テーブル構造の変更やデータベースのバックアップ・復元などをやってみましょう。さらに、これらをベースにしてWebアプリケーションを開発します。簡単なモデルを中心に、開発から運用までの応用可能な一連の基礎技術を解説します。
 なおこのコーナーの内容は、前編『Raspberry Piによるデータベース連携Webアプリケーション開発環境の構築』によって、Raspberry Piに開発環境が構築されていることを前提としています。

全体の構成と流れ

 下図の手順にしたがって説明を進めます。
 ボックスをクリックするとそれぞれの解説が表示されます。

Ⅰ. 機能追加とチューニング  CGIの実行機能やGDモジュールの組み込み、ODBCの利用準備などを行います。
Ⅱ. データベースの構築  MySQLでシンプルなデータベースを構築します。
Ⅲ. データベースの保守①  オープンソースのLibreOfficeを導入して、データベースの運用環境を整えます。
Ⅳ. データベースの保守②  phpMyAdminを導入してデータベースの一連の保守作業を行ってみます。
Ⅴ. Webアプリケーションの基礎知識  Webアプリケーション開発に必要な基本的なスキルを概説します。
Ⅵ. Webアプリケーションの開発①  全体の構想を固めてCSSで画面をデザインし、データベース操作ライブラリを作成します。
Ⅶ. Webアプリケーションの開発②  HTMLで検索ページを作成してJavaScriptを組み込み、結果表示ページを作成します。
Ⅷ. レビューと新たな展開  完成したWebアプリケーションから、今後の課題と展開を考えてみましょう。
 
  〔 ダウンロード 〕  開発するすべてのソースコードとデータベース構築用のデータをダウンロードできます。