1.回路図
Webに公開されていたシンプルな回路、『スピーカーの周波数測定・マイクアンプの製作』を参考にさせていただきました。と言うよりほぼそのまま、コンデンサー類の容量を手元にあるもので間に合わせるよう少しだけ変更して、ステレオマイクアンプとしました。
反転アンプを2つ重ねて使用。電源電圧は9Vを10kΩの抵抗器で分圧して4.5Vとしています。
マイクはECM(エレクトレットコンデンサマイクロフォン)を使用するので、マイクに内蔵しているJFET駆動用に2~5V程度のプルアップが必要になります。この回路では4.8Vを供給しています。
2.使用部品
必要な部品類は以下のとおりです(価格は秋月電子通商調べ)。
No. | 名 称 | 数量 | 参考単価 | 備 考 |
1 | 両面スルーホールユニバーサル基板 3 * 7 | 1 | \40 | |
2 | オペアンプ NJM4580DD | 2 | \30 | ローノイズ選別品 |
3 | 丸ピンICソケット(8P) | 2 | \15 | |
4 | 半固定ボリューム 50kΩ | 2 | \40 | |
5 | カーボン抵抗 100Ω | 2 | \1 | 1袋100本入り単価 |
6 | カーボン抵抗 2.2kΩ | 2 | \1 | 1袋100本入り単価 |
7 | カーボン抵抗 10kΩ | 6 | \1 | 1袋100本入り単価 |
8 | カーボン抵抗 22kΩ | 2 | \1 | 1袋100本入り単価 |
9 | オーディオ用電解コンデンサー 10μF 50V | 4 | \10 | |
10 | オーディオ用電解コンデンサー 100μF 25V | 2 | \20 | |
11 | 積層セラミックコンデンサー 22PF 50V | 2 | \13 | 1袋10本入り単価 |
12 | その他分割ロングピンソケット、配線など | 少々 |
3.配置と配線
完成品の外観と外部接続端子の機能です。
できるだけ小さくなるように抵抗類は縦型で配置し、いつものようにユニバーサル基板の裏面に、細目の線材を使って配線します。ボード間の配線は、両端にL型ピンヘッダーをハンダ付けした耐熱ワイヤー(ビニール電線)を使うことにして、入出力や給電部分にはロングピンソケットを設置しています。
広いスペースを占める半固定抵抗を何とかしたかったのですが、いろいろなマイクを試すことを考えて回路図のままとしました。最終的なケースへの組み込み時には、長い方のサイズが大きすぎるのて両端を切断しました。
上から見た部品配置と裏面の配線の状況です。
4.動作確認など
とりあえずハンダ付けを目視でチェックし、テスターの導通テストで配線ミスがないかどうかを確認します。問題がないようなら、オペアンプを外した状態で電源端子に9V電池を接続して、オペアンプ周りの電圧をチェックします。いったん電源を切って、オペアンプを足の広がりに注意しながらICソケットに差し込みます。
以降の動作テストを行うために、写真のような小道具を準備します。次の部品・材料を秋月電子から調達しました。クリックすると該当部品ページを表示します。
・L型ピンヘッダー
・3.5mmステレオミニジャック
・細径2芯シールド線
ピンヘッダーは3ピン毎に切り取って、真ん中にシールド網線をハンダ付けしてGNDとします。左右の2つのピンは、白色を右チャンネル用、黒色を左チャンネル用として対応するピンにハンダ付けしました。ステレオミニジャック側は左右の極性と対応するピンヘッダーをよく確認してハンダ付けします。
準備ができたら、ミニジャックの付いたケーブルをマイク端子と出力端子に差し込んで、それぞれマイクとイヤフォンを繋ぎます。半固定ボリュームを中間あたりに回転させて、電源端子に9V電池を接続します。問題がなければ、マイクで集音した音声がイヤフォンから聞こえます。
ここで使ったマイクは、以前になにかの拍子で買ったソニーのピンマイクです。電気的な特性がよくわからないのですが、無事に集音できています。マイクアンプ自体はゲインが大きいので、ボリュームは中間あたりか少し絞り気味でよいでしょう。さらに後段のヘッドフォンアンプで増幅するので、ここでは左右のバランスをとることができれば十分です。