2. マイクアンプの製作

 まずはマイクアンプの製作です。ステレオピンマイクの使用を前提として、トランジスタ2石のもの、左右でオペアンプNJM4580DDを1/2ずつ分割使用したもの、各チャンネルにオペアンプ2段を使ったものなどを試作。最終的には、最後に試したNJM4580DDを2段にしたものに決定です。



1.回路図

 Webに公開されていたシンプルな回路、『スピーカーの周波数測定・マイクアンプの製作』を参考にさせていただきました。と言うよりほぼそのまま、コンデンサー類の容量を手元にあるもので間に合わせるよう少しだけ変更して、ステレオマイクアンプとしました。

 反転アンプを2つ重ねて使用。電源電圧は9Vを10kΩの抵抗器で分圧して4.5Vとしています。
 マイクはECM(エレクトレットコンデンサマイクロフォン)を使用するので、マイクに内蔵しているJFET駆動用に2~5V程度のプルアップが必要になります。この回路では4.8Vを供給しています。


2.使用部品

 必要な部品類は以下のとおりです(価格は秋月電子通商調べ)。
No.名    称数量参考単価備  考
1両面スルーホールユニバーサル基板 3 * 71\40
2オペアンプ NJM4580DD2\30ローノイズ選別品
3丸ピンICソケット(8P)2\15
4半固定ボリューム 50kΩ2\40
5カーボン抵抗 100Ω2\11袋100本入り単価
6カーボン抵抗 2.2kΩ2\11袋100本入り単価
7カーボン抵抗 10kΩ6\11袋100本入り単価
8カーボン抵抗 22kΩ2\11袋100本入り単価
9オーディオ用電解コンデンサー 10μF 50V4\10
10オーディオ用電解コンデンサー 100μF 25V2\20
11積層セラミックコンデンサー 22PF 50V2\131袋10本入り単価
12その他分割ロングピンソケット、配線など少々


3.配置と配線

 完成品の外観と外部接続端子の機能です。
 できるだけ小さくなるように抵抗類は縦型で配置し、いつものようにユニバーサル基板の裏面に、細目の線材を使って配線します。ボード間の配線は、両端にL型ピンヘッダーをハンダ付けした耐熱ワイヤー(ビニール電線)を使うことにして、入出力や給電部分にはロングピンソケットを設置しています。
 広いスペースを占める半固定抵抗を何とかしたかったのですが、いろいろなマイクを試すことを考えて回路図のままとしました。最終的なケースへの組み込み時には、長い方のサイズが大きすぎるのて両端を切断しました。


 上から見た部品配置と裏面の配線の状況です。


4.動作確認など

 とりあえずハンダ付けを目視でチェックし、テスターの導通テストで配線ミスがないかどうかを確認します。問題がないようなら、オペアンプを外した状態で電源端子に9V電池を接続して、オペアンプ周りの電圧をチェックします。いったん電源を切って、オペアンプを足の広がりに注意しながらICソケットに差し込みます。

 以降の動作テストを行うために、写真のような小道具を準備します。次の部品・材料を秋月電子から調達しました。クリックすると該当部品ページを表示します。
   ・L型ピンヘッダー
   ・3.5mmステレオミニジャック
   ・細径2芯シールド線
 ピンヘッダーは3ピン毎に切り取って、真ん中にシールド網線をハンダ付けしてGNDとします。左右の2つのピンは、白色を右チャンネル用、黒色を左チャンネル用として対応するピンにハンダ付けしました。ステレオミニジャック側は左右の極性と対応するピンヘッダーをよく確認してハンダ付けします。


 準備ができたら、ミニジャックの付いたケーブルをマイク端子と出力端子に差し込んで、それぞれマイクとイヤフォンを繋ぎます。半固定ボリュームを中間あたりに回転させて、電源端子に9V電池を接続します。問題がなければ、マイクで集音した音声がイヤフォンから聞こえます。
 ここで使ったマイクは、以前になにかの拍子で買ったソニーのピンマイクです。電気的な特性がよくわからないのですが、無事に集音できています。マイクアンプ自体はゲインが大きいので、ボリュームは中間あたりか少し絞り気味でよいでしょう。さらに後段のヘッドフォンアンプで増幅するので、ここでは左右のバランスをとることができれば十分です。