§  アナログ礼讃 ---- アナログ版聴覚補助ツールとRaspberry Pi Picoのコラボ

 半導体不足の環境にあってRaspberry Piは軒並み在庫切れで、いったい皆様はどうされているのでしょうか。ここしばらくは、例外的なPi Picoを除けばほとんど入手できない状態です。いっぽうでRaspberry Piを活用しているケースや魅力についての情報が溢れていて、これは嬉しい現象ですが品薄の一因になっているのかもしれません。
 それこれで、表題のようにとりあえずデジタルを諦めて、アナログ版の聴覚補助ツールを製作することにしました。ぼつぼつと製作を進めて、現時点ではすでに完成しているのですが、出来上がりはなかなかのものです。デジタル版では避けられない遅延の発生がないことから音質は明瞭、苦心して搭載した8バンドイコライザーで音域の調整もできるので、かなり良質の音声を再現できています。思わず「アナログ・バンザイ!!」です。しかし、製作途中では回路の異常発振やポップノイズなどの問題に遭遇し、その解消にPi Picoが強力な助っ人を演じてくれることになりました。
 内容は製作の覚え書きとして記録するものであり、ボード類の製作、つまり電子工作が中心になります。また短期間に実用化したかったので、Web上の回路図やオーディオ関係の情報など、利用できるものは最大限活用させていただきました。

 なお、前シリーズと同様に、次の点にはくれぐれもご注意下さい。

<ご確認とお願い:重要事項>

 このプロジェクトは、個人的な必要性から聴力補助ツールの開発を目指すものです。その過程を記録しておくための私的なノートです。なお安全性の観点から、皆様に同様の聴力補助ツールの開発をお勧めするものではありません。
 このテーマに取り組まれる場合は、作成した電子回路やプログラムの動作を確認するために、しばしばイヤフォン出力を試すことになります。その際、音量を適切に調整するかイヤフォンの位置を調整しなければ、耳を傷つける恐れがあります。耳を痛めることがないようにくれぐれもご注意ください。なにとぞ自己責任でよろしくお願いします。

 以下に大まかな流れを示します。各ボックスをクリックするとそれぞれの内容を表示します。
 内容は変更の可能性があります。


1. アナログ版HAT22の構成  アナログ版開発の目標、製作過程で発生した問題と対処、HAT22の概要と構成、
 必要な工具類など、Raspberry Pi Picoの開発環境
2. マイクアンプの製作  回路図、 使用部品、 配置と配線、 動作確認など
3. ヘッドフォンアンプの製作  回路図、 使用部品、 配置と配線、 動作確認
4. イコライザーの製作 ①  使用する回路、 回路の分割とテスト、 使用部品、
 バッファアンプの組み立て・配線
5. イコライザーの製作 ②  グラフィックイコライザーの構成、 本体部の組立と配線
 コントロール部の組立と配線、 動作確認
6. 電源とリレーユニットの製作  電源周りの製作、 昇圧電源の動作テスト、 リレーユニットの回路と外観
 使用部品、 動作確認
7. ボード類の組立と配線  レイアウト、 使用部品・材料など、 取り付け前の準備、 ボードの組み付け
 ボード間の配線、 ケースの加工と仕上
8. Picoの制御ソフトと総合テスト  Raspberry Pi Picoについて、 開発環境の準備、 プログラムの処理要件
 GPIO・定数・グローバル変数の定義、 処理関数の作成、 評価と今後の課題
9. 〔追補〕ALCによる衝撃音対策  ALC内蔵マイクアンプIC、 マイクアンプの製作、 イコライザー専用IC
 グラフィックイコライザーの製作、 既存ボードとの交換、 評価と今後の課題