1.糸崎駅~糸碕神社~登山口
JR糸崎駅から近くのトモテツバス停留所へ移動する。糸崎駅前からは4~5分で糸崎神社前バス停に到着して糸碕神社に向かう。
石鳥居の向こうにはどっしりとした神門があり、その奥に拝殿と本殿が建つ。山行の無事を祈って参拝する。境内に聳える推定樹齢500年の楠木は三原市の天然記念物に指定されている。
10時7分に糸碕神社からスタートする。北側に出て山陽本線の踏切を渡って左折し、土地の人に道を尋ねて進む。その先を右折して細い川に沿って登るが、道を間違えていることに気づいて右折した位置まで戻る。
さらに直進すると別な踏切からの道があり、そこを右折して上がって行くとカーブミラーがあり、その脇に登山口のプレートが取り付けられていた。
2.御山公園~鉢ヶ峰山頂
緩い坂を進むと「瀧乃観音御発祥之地」の石碑が立っている。これが何かはわからない。
両側がトンネルに挟まれた国道2号線が見えている。そのあたりで道は海側へ折り返して、7~8分行くと右側に展望が開ける。進行方向右には因島大橋が見えている。
炎天下の舗装道歩きは焼け付くようで、木立に囲まれるとホッとする。道端では萩の花が咲きかけている。
登山口のプレートから20分少々で御山公園に到着した。休憩舎のベンチで汗をぬぐって小休止する。
南に広がる島々の風景。南西には以前に同じ仲間たちと登った筆影山が見えている。
休憩舎のそばにある三角点にタッチして行動を再開。「みはらし連山(鉢ヶ峰)登山口」の道標にしたがって進む。
ここから土の道に変わって勾配も急になる。ヤブコギとまではいかないが、繁った笹や草をかき分けながら登って行く。
急坂を速いピッチで登って行くので息が上がる。楽しい山歩きの域を超えて、まるでハードトレーニングに参加しているようだ。花もなく展望もなくひたすら登り、見つけたキノコにシャッターを押す。
ゆっくり歩けば気持ちの良い尾根歩きなのだが、依然としてピッチが速い。とにかく頑張って後を追う。
途中で見つけたキノコ類に夢中でシャッターを切る。
御山公園からは1時間足らずで鉢ヶ峰山頂に着いた。まずは三角点にタッチする。
山頂標識が立ち、多島美に見入る仲間たち。
正面の大きな島は2012年の春に「駅から歩こう」で出かけた佐木島と太平山。その奥は生口島だ。左手前は細島と小細島、その奥に長く伸びるのは因島である。佐木島の右隣は小佐木島で、その奥は高根島と大三島。
島のように見えるがこれは三原市の南西部で、一番高いのが筆影山。海に沿って陸地の縁をJR呉線が走っている。
3.観音寺奥の院~赤石バス停~糸碕神社
鉢ヶ峰山頂には5分ほど滞在して観音寺奥の院へと移動する。少し下りると(1分ばかり)、木原町(赤石)と大平山・鳴滝山方面への分岐がある。ここは木原町へと進む。
その先の急坂は滑らぬよう転ばぬよう注意して下りてゆく。下山しながら汗が噴き出す。
15分ほどで観音寺奥の院に到着した。小さな祠にお地蔵さんが祀られている。
鐘楼と開山堂が建つ。開山堂には万慶上人の五輪塔があり、説明板に「持参した水をかけ、落ちる水をくみうけて飲んだり頭や体につけるとご利益があるといわれている」とある。この時には何のことか分からなかったが、この後の下山で明らかになる。
時刻は12時5分、ここでランチタイムになる。下のような瀬戸内海のパノラマが広がっている。展望台に三原市が「市民提案型共同事業」で設置した立派なパネルがあるので、容易に島名を特定することができる。
帰りのバスの時刻が迫っているので、滞在は30分だけで下山にかかる。下りかけたところで奥の院本堂が見えたが立ち寄れない。カメラで挨拶して通り過ぎる。
道標があり、奥の院へは赤石バス停側からお参りするのが普通らしいと気づく。時間が急くので下山も一生懸命だ。
祠のようなものが見えてきた。近づいてみると水飲み場で、ここの水を汲んで万慶上人の五輪塔にかければ良いことがわかった。これで開山堂の説明板の意味が理解できた。
下り進むと中休大師堂があったが誰も立ち寄る余裕がない。大師堂からの眺望も素晴らしいのだが、これを見たのは自分だけ、もったいないなぁ。
登りに見たハギに次いで、この山で出会った二つ目の花はリンドウ。急いでシャッターを切って後を追う。
「下山道」の道標に従って細い山道に踏み込むと「みはらし連山登山口」の標識が立っている。ここが連山の東の端の入口になるわけだ。
やがて舗装道に変わって踏切が見えてくる。折しも貨物列車が通過中で、燃えるような彼岸花の脇を走り抜けて行く。
赤石バス停に到着した。が、バスが出た直後の到着になってしまい、次のバスまで1時間以上ある。水辺を見ると、トレッキングシューズを脱いで穏やかな波打ち際に入ってみたくなる。
日陰がないのでそのままバスを待つわけにいかず、炎天下を約45分のウォーキング。急かされるスケジュールの結果だったのでこれは気分的にキツかった。糸碕神社に帰り着いて木陰でバスを待つ。立派な神門だと思っていたら、これは三原城内にあった侍屋敷門のひとつで、寄進されてここに移されたとのこと(糸碕神社解説碑)。
待ち時間に境内を見学する。下の写真は御調井(みつぎい)という井戸である。解説碑に見るように、昔、神功(じんぐう)皇后がここ長井の浦に舟を繋がれた折り、この井戸の水を汲んで献上したのが由来とされる。常に清く澄みさわやかで、どんな高潮の時でも塩分がないとか。この故事にならって、神社大祭に神饌を奉る際の用水にしているそうである。