名 称

あしわだやま~さんこだい~こうようだい

所在地

山梨県富士河口湖町

標 高

足和田山 1,355m、三湖台 1,203m、紅葉台 1,165m

山行日

2016年11月6日

天 候

快晴

同行者

相棒と

アクセス

富士急行線河口湖駅から富士急山梨バス・新富士行きで一本木バス停下車

マップ

〔一本木バス停~足和田山~小ピーク〕

  

〔小ピーク~三湖台~紅葉台~紅葉台入口バス停〕

  

このマップは、国土地理院の電子国土Webシステムから提供されたものを使用しています。

コース概要

一本木バス停 9:34足和田山登山口(出発準備)9:46大嵐・足和田山分岐 11:18~11:21
足和田山山頂 11:25~11:40小ピーク 12:30三湖台 13:03~13:23紅葉台 13:31~13:35
紅葉台広場 13:47~13:49木曽馬牧場 13:56紅葉台入り口バス停 14:03

 8時半過ぎ、河口湖駅前に着くとすでにたくさんの観光客がバスを待っている。新富士駅行きの始発バスは9時8分なので、近くのコンビニへ出向いて昼食弁当などを調達する。空は真っ青、気温は15℃と暖かく穏やかな朝だ。

1.一本木バス停~足和田山登山口~足和田山へ

 足和田山の登山口がある一本木バス停には20分ほどで到着。ここが山歩きのスタート地点だ。家族連れを含む8人が降車する。バスの進行方向と逆に左手に延びる道を行く。

 200mばかり進むと、左側に東海自然歩道の案内板が立っている。足和田山コースはここから紅葉台までの5.2km、東海自然歩道の中で最初に作られたモデルコースとのこと。登山口には害獣防護フェンスがあるので、扉を開けて入る。

 よく整備された木段を登って行く。最初の急坂で相棒が遅れ気味になるが、間もなくなだらかな尾根道に変わる。

 次の長い階段が現れ、先に登っていた家族連れ3人が見えてきた。階段を登ったあたりで、最後にスタートした女性がやって来る。山登りを教えてくれたご主人が体調を崩して、今日は独り歩きとのこと。過去3回出かけてきたが、いつも富士山を観ることができなかったので晴天を大喜びしながら歩いてる。

 色づいた木々を眺め、爽やかな空気を感じながらゆっくりと進む。尾根道だが樹林のために富士山は時々ちらりと見えるばかりだ。

 家族連れの後を少し距離をおいて歩く。この人たちは今回が4度目だが、毎回きれいな富士山を観ているとのこと、好天を選んで登る近場の人たちなのだろう。山麓地域と五湖台(足和田山)を示す「大田和<-->五湖台」の道標がある。

 美しい樹林の中に、緩やかな坂道と傾斜のきつい長い階段とが交互に現れる。

 急坂の途中にブロックづくりの祠のようなものがあり、鉄板で剣を形取ったものが立っている。鍔の部分に「文化十四年 榛名山満行」と刻まれているが、いったい何なんだろう。

 そこから15分足らずで大嵐・足和田山分岐に到着した。

 分岐広場には方位盤があり、木立の間から雄大な富士山を仰ぎ見る。山頂中央部の突起は白山岳(釈迦ヶ岳)だ。

 足和田山山頂まで残すは300m。最後の木段を上がって行く。

2.足和田山山頂~小ピーク

 登山口から約1時間40分、ゆっくりのんびり登ってきた。息切れ気味だった相棒も大丈夫のようだ。山頂には立派な展望台が建ち、周囲におおぜいのハイカーがくつろいでいる。

 大嵐・足和田山分岐にあったのと同形の方位盤がある。五湖台と呼ばれるだけあって、盤面には周囲の山々と共に富士五湖が刻まれている。しかし見えるのは・・・。樹木に囲まれて展望は今ひとつである。

 ほぼ真南に杉林越しに見える富士山、そして北東を見下ろすと美しい河口湖。

 展望台に上がって西を望むと、遠くに本栖湖が見える。

 まだ11時半頃なので昼食は先延ばしにすることにして、二等三角点にタッチし、山名標柱を撮影して移動にかかる。

 三湖台・紅葉台の方へと、よく整備された山道を進む。

 しばらくは明るく平坦な道が続く。大きなサルノコシカケをつけた伐採木、オレンジと黄をブレンドした楓が道辺を飾る。

 木々が美しい散歩道のような山道を進むと分岐に出合った。平坦な道と急階段の道が並んでいる。

 道標はひとつだけなので、どちらを選んでも先で合流するだろうと平坦な道を進む。ところが、少し進むとどんどん下りになり、手元の地図のルートから乖離してゆく。これは変だと思っていたら、下からカップルがやって来て「道を間違えたようなので引き返している」と言う。元に戻ったら、急階段から足和田山へ向かうハイカーが下りてきた。

 階段を登ると、そこにも整備の行き届いた道があり、美しい紅葉が待っていた。しばらく歩くと左側からの平坦な道と合流し、結局、三湖台までの登山道は比較的平坦な林道とクロスしながら延びていることが分かった。

 その先でマウンテンバイクに追い抜かれる。こんなに手入れされた道だとさぞかし快適だろう。しかし、クラッシュしないように気をつけなければならない。

 右手下方に西湖が見えてきた。と、道から少し入り込んだ場所に三角点を発見。五湖台と三湖台の中間にある小ピークに到着したようだ。

3.小ピーク~三湖台

 小ピークから先も歩きやすい道が延び、「三湖台<-->五湖台」の道標が立つ。

 これ以降は登山道が何カ所も林道とクロスするが、山歩きを楽しむために起伏の大きい登山道を歩く。

 林道との共通部分には車のタイヤ痕が多い。ぬかるみで動けなくなったのを脱出させるために、雑木を敷き詰めたところもある。これだけ大規模な登山道や周辺樹林を保守するのは大変な作業だろう。

 小ピークから約30分、階段を登ると三湖台への分岐道標が立っている。

 傾斜の緩やかな坂があり、その向こうに展望台と東屋。足和田山山頂からゆるゆると1時間20分かけての到着だ。

 三湖台の標柱とそこから望む富士山。展望位置が西に移動したため、五湖台のそれと比べて、山頂の白山岳がわずかに左へずれている。

 展望台中央にはカラフルな方位盤が設置されている。西湖の西部にズームで迫ると、湖北ビューラインから西湖西集落方面が見える。

〔西湖と御坂(みさか)山系の大展望〕
  西湖の背後には御坂山系が横たわる。三角形のひときわ高いのは鬼ヶ岳(1,738m)、
  その右に高いのが最高峰の黒岳(1,793m)。

〔青木ヶ原樹海と南アルプスの大展望〕
  写真は目で見るより鮮明さに欠けているが、遠く南アルプスを望むことができた。相棒の眼がまん丸に!
  山座同定には自信がないのだがズームで迫ってみた。

   ・左は北岳、右はたぶん蝙蝠岳(こうもりだけ)と塩見岳。

   ・左は赤石岳、右手前は本栖湖。

〔西湖と広大な青木ヶ原樹海の展望〕
  と言っても、どこからどこまでが青木ヶ原樹海なのか見当がつかない。
  富士山北西に位置する一帯を三湖台から眺めるとこんな具合である。

 もういちど富士山の麗姿を眼に焼き付けて、展望台を振り返り三湖台を後にする。

4.紅葉台~紅葉台入口バス停

 紅葉台へと西に進むと「氷穴<-->三湖台」の道標。富士箱根伊豆国立公園の説明板がある。富士五湖は富士山の噴火で流出した溶岩流が川をせき止めてできたこと、西湖・精進湖・本栖湖は地下で通じているため常に同じ水位であること、などが説明されている。

 間もなく紅葉台レストハウスが見えてきた。ここまでは車で上れるので次々にやって来て下りて行く。その都度、一帯に土煙が立つのには閉口した。

 とりあえず富士山が見える場所でシャッターを切り、急いで立ち去る。レストハウスの北側を抜けて下山すべきを、間違えて駐車場へ戻ってしまう。が、それが幸いして、つまずきそうな場所に紅葉台の三角点を見つけることができた。これで足和田山コースの3つの三角点すべてを確認したことになる。

 わずかな距離ではあるが、車がほこりを立てて行き来する車道を下り、途中から登山道に入る。

 それぞれ可愛い犬を連れたカップルが散策している。通り過ぎてしまいそうなところに小屋が見えたので立ち寄ると、そこは紅葉台広場だった。案内板の付近から雲がたなびく富士山に心を奪われる。

 素晴らしい富士見のハイキングも間もなく終わる。あとは紅葉台入口バス停へ下りるだけ。左に牧場を見るとすぐにバス停だ。

 バス停ではしばらくの時間待ち。河口湖駅行きバスの到着まで雲をまとった富士の姿に見入る。

 かくしてほぼ半日の山歩きは終わった。歩くにつれて変化する富士山も湖も紅葉もそれぞれ美しく、何もかも予想を超えて素晴らしかった。とりわけ、このコースから見える富士山の雄大さと三湖台の南アルプスの眺望には感動した。これから河口湖駅に戻って特急バスでJR三島駅へ移動して一泊。明日は箱根湯本駅を起点に、須雲川から元箱根港を経由して箱根関所まで「箱根旧街道」を歩く予定だ。