1.コース変更で城山池登山口へ
香登駅前の国道2号線を高架橋でまたぎ、新幹線の下をくぐって北に進む。旧山陽道に出て右折しようとしたところで、「先日油滝コースを歩いたが大変キツかった。短時間で楽に登れる鉄塔コースにしませんか」という提案があり計画を変更。左折してすぐに右へ取り、「NTN」の大きな看板が際だつNTN岡山製作所香登寮の方へ。今回は山行記録を作成しないつもりでいたが、新コースなので予定を変更、急いでザックからカメラを取り出す。突き当たりを左折、次を右折して直進する。
右側の民家が途切れて少し行くと墓地になる。通り過ぎると左手に公園、ご同輩がグランドゴルフを楽しんでいる。
木立に囲まれた道を進むと左側に城山池が緑の水を湛えている。ここが城山池登山口だ。
2.鉄塔コースをNo.208鉄塔に向けて
池に沿って平坦な道を北へ進む。右に砂防堤が見えてきた。
いつまで緩やかな道が続くのだろうかと心配する必要はなかった。送電線路保守用の鉄塔番号プレートNo.38で右折すると、急坂が待ち構えていた。ひと登りすると傾斜が緩む。
そしてすぐに急坂のジグザグ。辛抱強く登って行く。
大きな岩をエイッと登ると緑の懐に城山池。
しだいに岩が増えてきて、足元に気をつけながら一歩ずつ踏み出す。足を止めると山並みを縫う送電線路。呼吸を整えながら前進する。
No.38鉄塔が近くなり、その真下を通過する。
すぐに「中尾岩」の標識があり進行方向に大岩が現れる。先に登ったOさんが背後の風景を振り返っている。
中尾岩からの眺望は素晴らしい。手前に山陽新幹線が走り、備前市のNTN岡山製作所から長船方面を見渡すことができる。中尾岩を通り抜けながら背後の岩場を振り返る。
風景を眺めながらの小休止、「ピッチが速すぎる」と女性の声。「了解、ここから先は女性が先頭に立って」と男性の声。その様子を愉快そうに眺める枯木。
はてさて、女性が先頭に立ったが相変わらずの元気で、「それって速過ぎないかえ?」と後を追う。
花々が例年より二週間も早く咲いて暴走状態の春、ここにはまだコバノミツバツツジが花を残している。平坦になった道を快適に進む。
また岩が露出した道になり、その先に道標が賑やかに集結。このあたりが送電鉄塔No.39付近のようだ。
すぐ先に左折路が現れ、木に左を指す「熊山山頂」の道標が取り付けられている。
道標に従って左折し、15分足らず前進すると鉄塔No.208に着いた。鉄塔の右を通り抜けて「坂根熊山道」の方へと進む。
3.熊山山頂~熊山神社
再び木立に囲まれた道。以前に段谷コースから熊山駅最短コースに合流した時に見たのと同じ標識、「山はみんなの宝もの」に出会う。
丸太の階段が現れた。その上にもまた階段が続く。
やがて右上に霊山寺山門跡の標識が見え、その上を右に回り込むと山頂東屋展望台だ。ここで昼食をとりくつろぐ。
モヤで見通しは良くないが、ここからの眺望はいつも素晴らしい。
いつものように熊山遺跡を撮影する。周囲の八重桜は盛りを過ぎているが、それでもこんなに美しい。
当初予定していた弓削への下山が、下りてから万富駅までの長い舗装道ウォークは避けようということになり、熊山駅へ向けて歩き始める。まだ正午前で、熊山駅からの14時過ぎの電車には十分すぎる時間がある。
熊山神社の一対の門柱には注連縄が張られ、邪気を払う紙垂(しで)が飾られている。階段を下りてきた5人の若者と挨拶を交わす。仲間の大半は通り過ぎてしまったが、後ろを行く3人で参拝に立ち寄る。
石鳥居をくぐって神域に入り、閑かな境内を進んで参拝する。
表情豊かな阿吽の狛犬を撮影して、右手から白石を引き詰めた階段を下りる。左折すると上下の分岐になるので、上の方をたどる。ここから熊山駅までは約4.5kmだ。
4.熊山駅最短コースを下山
間もなく竜神二つ井戸を通過し、階段を登った先から緩やかな傾斜を歩く。このコースは歩きやすく、日光浴しながらハイキングの気分だ。
目線の位置にも、上にも、足元にも春の息吹。生命の光が漲っている。
「見晴らし台」の小さなプレートが掛かっている。最後尾を長閑に歩く二人以外は見過ごして通過したようだ。左へ踏み込むと送電鉄塔の下に出られ、吉井川の流れと赤磐市熊山の工場や家並みを見渡せる。
少しくだって河豚のような形の「蛙岩」を過ぎると東屋展望台で、先に到着した仲間たちが歓談している。
水分を補給し、甘いものを口にしながら小休止する。青い実と熟れた実の両方が同居したヤシャブシがたくさんある。
東屋から10分少々で車道と出合い、またすぐ山道に入って行く。ところが、突然カメラの電源スイッチが切れなくなった。立ち止まって何とかOFFにしたが、もう二度とONにできない。撮影を諦めたとたんに足が速くなる。