§  Raspberry Pi 3 Model Bに「Raspbian Stretch」をインストールしてみた

 2017年末に遅ればせながらRaspberry Pi 3 Model Bを購入。年が明けて最新のRaspbian Jessieをインストールしようとしたら、Raspbian Stretchへのメジャーバージョンアップがあったことを知りました。昨年8月に発表されたばかりでやや不安はあったのですが、思い切ってインストールしてみました。
 OSのインストールは順調に進んだのですが、LAMP構成が変更されていてJessieのように一括設定できないことが分かりました。また、Apacheのバージョンアップに伴う設定変更には戸惑いました。それこれで、ここにとりまとめるインストール手順や問題対応の記録がお役に立てれば幸いです。
 以上ような問題はありましたが、当初から無線LAN機能を備えているのでネットワーク回りの設定はとても簡単です。ルーターのSSIDとパスフレーズを教えるだけでほとんど何もする必要がありません。それにCPUが4コア1.2GHzなので、ブラウザなどの動作がなめらかになっているのはとても嬉しいです。

1.インストール範囲と環境の制約

 インストールの範囲は、Raspbian Stretchの導入から初めて、Webサーバー、データベースサーバー、ファイルサーバーなどの構築と、PCからリモート制御するためのツール類の組み込みまでを含みます。おおよその内容は下図のとおりです。
 今回もPCはWindows7を使用しています。他のOSを利用の皆様は、Windows7固有の部分を適宜読みかえていただき、ユーティリティソフトなどはお手元の環境に合わせて選択されるようお願いいたします。
 また一連の作業は、すでに掲載済みの『Raspberry Piによるデータベース連携Webアプリケーション開発環境の構築』に沿っています。今回は要点だけをまとめている部分も多いため、必要に応じてそちらも参照してください。

2.全体の構成と流れ

 インストールは下の図にしたがって進めます。ボックスをクリックするとそれぞれの解説文書が表示されます。

Ⅰ. インストール環境と機材  一連の作業に必要な環境・機材です。
Ⅱ. 必要なソフトの事前準備  リモート制御に必要なソフトやSDカード書き込みソフトなどを準備します。
Ⅲ. OSのインストール  Raspbian Stretchをダウンロードしてインストールします。
Ⅳ. 環境の調整と設定  ローカライゼーション、固定IPアドレスの設定、DACの有効化などを行います。
Ⅴ. LAMPのインストール  Webアプリケーション開発のためのオープンソースソフトを導入します。
Ⅵ. FTP/SAMBAサーバーの構築  ファイル交換・共有のためのFTPサーバーとSAMBAサーバーを構築します。
Ⅶ.終 わ り に  データベースの構築とWebサーバーの調整・総合テストを行います。